「住宅ローン」と検索すると、その数に驚かれると思います。
ひとくちに住宅ローンといっても、さまざまな種類があり金融機関によっても異なるものです。
そもそも住宅ローンとはどんなもの?いくつもある住宅ローンの中から借入先を決めるための比較のポイントをお伝えします。
目次
住宅ローンとは
住宅ローンとは、マイホームを購入したり改築するために金融機関から借りるお金のことです。
原則として、契約者本人や家族が居住するための住宅の費用として活用することができ、「投資物件」や「セカンドハウス」の購入には利用できません。よって、契約できる住宅ローンはひとり一つが原則となっています。
金融機関によって要件が違うため確認が必要ですが、借り換えや中古住宅購入にもほとんどの住宅ローンが利用できます。
住宅ローンは一般的なローンと比べると金利は低めである分、長期にわたって安定的な返済が求められます。
そのため、ローン審査においては「安定的かつ継続的な収入がある」ことが重視されます。
年収や勤続年数、完済時の年齢、健康状態なども借り入れできるかどうかに関わるので、専業主婦や年金収入だけの人は借り入れできません。その審査基準も金融機関よって異なるので、複数の借入先に相談して比較することをおすすめします。
住宅ローンを取扱っているのは、普通銀行・信託銀行・信用金庫・JAバンク・労働金庫など民間の預金取扱金融機関のほか、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供する「フラット35」、財形住宅融資や自治体融資、生命保険会社・信販会社・不動産担保融資に特化したノンバンクなどがあります。
それぞれ金利や内容に違いがあるため、複数に相談しながら自分に合ったものを選ぶことが大切です。
住宅ローンがおすすめの3つの理由
マイホームを購入するのには、自己資金の多さに関わらず住宅ローンを利用することをおすすめします。
その理由は3つあります。
①低金利である
住宅ローンは長期間借りることが前提なので、他のどのローンよりも低金利です。
②団体信用生命保険が利用できる
万が一があった際に住宅ローンの残金の支払いがなくなる保険です。
最近ではガンと診断されたら残金の半分や全額が免除されるものもあります。日本のガン罹患率が50%以上であるという確率を考えると、
診断後に返済が免除される可能性も少なくありません。
保険としても活用できるメリットがあります。
③住宅ローン減税がある
住宅ローンの残高の一定の割合が、翌年の所得税から控除される制度です。
節税にも繋がるので、可能であれば住宅ローンはぜひ利用したほうがよいでしょう。
住宅ローンの選び方ー比較の際のポイントとは
マイホームを購入しようと考えたら、まずシミュレーションツールを利用して借入可能額を把握しましょう。
借入可能額と自己資金で購入できそうなマイホームを見つけたら、次はいよいよ住宅ローン選びです。
たくさんある住宅ローンの中から、自分に適したローンを見つけるための方法をお伝えします。
STEP1 金利タイプを決める
まず決めるのが金利タイプです。
同じ金利タイプでも金融機関によって利率は大きな差があります。
お得な金利を提供している住宅ローンを見落とさないためにも、金融機関を絞る前に金利タイプを決めたほうがよいといえます。
住宅ローンには3つの金利タイプがあります。
それぞれメリットとリスクが異なるので、どれがご自身に適しているかじっくり検討しましょう。
①変動金利型:市場の金利に連動して利率が変わる
メリット
金利が低いので、借り入れ当初の返済負担を抑えられる
金利が上昇しなかった場合、トータルコストが抑えられる
デメリット
金利が上昇すると、返済額が跳ね上がるリスクがある
変動金利型に向いているのは、金利が上昇しても支払える資金に余裕のある人、繰上返済などでリスクコントロールできる人です。
資金に余裕がないからといって、低金利な変動金利を選んではいけません。
②固定期間選択型:借り入れから一定期間の金利が固定
10年固定や20年固定が一般的です。
メリット
固定期間中の金利が低い
固定期間中は金地上昇のリスクがない
デメリット
固定期間終了後の金利が高い
固定期間選択型に向いているのは、固定期間終了前に収入が上がる方、固定期間終了前に支出が減る方、貯蓄や繰上返済を活用して元金を減らせる方です。
出産・育児など出費がかさむ時期や、共働きできるようになるまでの期間を固定金利に設定するのがおすすめです。
③固定金利型:全期間の金利が固定
メリット
金利が上昇しない安心感がある
計画的な返済ができる
デメリット
金利が高く、毎月の返済負担が大きくなる
固定金利型に向いているのは、金利の変動で不安になりたくない方、しっかりと計画通りに返済したい方、支払い総額が高くなっても安心料として捉えられる方、です。
出産・育児など大きな出費の予定がある方は固定期間選択型を、金利の変動の不安が大きい方は固定金利型を選ぶと良いでしょう。
STEP2 借入先の特徴を知る
借入先の種類によって、審査と金利などが異なります。
特徴を把握して、どういう借入先がいいか考えておくと良いでしょう。
メガバンク
・審査:厳しめ
3大メガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)は、住宅ローンの審査が点数制。
年齢や借入希望額、勤続年数、年収などから点数をだして、ローンの利用可否や利用可能金額が決められます。
・金利:比較的金利が低い
・その他
倒産のリスクが低く、長期にわたる住宅ローンを利用するには安心感があります。
審査のスピードが早い点もメリットといえます。
地方銀行
・審査:柔軟な対応あり
地域密着型の金融機関ならではで、個々の事情を考慮してくれるため比較的通りやすいといわれています。
・金利:やや高め
メガバンクやネット銀行に比べると、地方銀行の金利はやや高めです。
ネット銀行
・審査:やや厳しめ
ネット銀行の審査は対面での相談がないため柔軟性に乏しく、やや厳しめです。
・金利:低金利
ネット銀行の住宅ローンは、メガバンクや地方銀行などと比較して低金利です。
・その他
審査期間が長引くケースがある
フラット35
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して運営する住宅ローンです。最長35年の長期固定金利であるのが大きな特徴です。
・審査:やさしめ
フラット35の審査では雇用形態や勤続年数が問われず、比較的審査基準が緩めです。
団信への加入も必須ではなく、健康状態などの理由で団信に加入できなかった人も住宅ローンを利用することができます。
STEP3 一括比較サイトを使って、候補を絞る
金利タイプを決めたら、金融機関を絞っていきます。
金融機関の比較には一括比較サイトがとても便利です。
一括比較サイトを強くおすすめするのは金利だけでなく、事務手数料・保証料を含めて比較してほしいからです。
事務手数料・保証料は、住宅ローンを申し込む際に発生する費用で数十万円以上かかります。
メガバンク・ネット銀行ともに、事務手数料として「借入金額×2.2%」、保証料は「無料」で設定している金融機関が一般的です。
しかし、『新生銀行』や『楽天銀行』など事務手数料を定額で設定している金融機関もあり、借り入れ当初の負担が大きく異なります。
(新生銀行は5万5000円~、楽天銀行は33万円)
都市銀行や地方銀行などは、事務手数料が安い代わりに保証料が必要になることが多いです。
ひとつひとつ各銀行の手数料を調べるのは面倒なので、事務手数料・保証料を含めて比較してくれるサービスを利用しましょう。
おすすめのサイトはこちら
25社の商品を比較でき、発生する諸費用も具体的に知ることができます。
STEP4 保険やその他のサービスを比較して、金融機関を決定する
一括比較サイトを使って、いくつか候補を絞れましたか?
住宅ローンを借り入れる1社を決めるために、団体信用生命保険と付帯特典を確認しましょう。
団体信用生命保険(団信)
団信とは、住宅ローンの契約者が死亡したときまたは高度障害状態になったときに住宅ローン残高が全額保障される保険です。
近年では、独自の保障を上乗せした団信を取り扱う金融機関も増えているので比較が必要です。
上乗せ保険の例には、下記のようなものがあります。
- がん保障付き
がんと診断された際に住宅ローンの半額、もしくは全額が保障される - 全疾病保障
ケガや病気で働けなくなった際に住宅ローンが保障される - 3大疾病保障付き
がん・急性心筋梗塞・脳卒中に対する保障がつく - 生活習慣病保障付き
糖尿病や高血圧、慢性腎不全、肝硬変などに対する保障がつく
保障を手厚くすることによって、金利が上乗せされる場合もありますので、そのことを踏まえてお考えください。
また、既存の生命保険契約と団信の保障内容が被ってしまうケースも考えられます。住宅ローン契約時に生命保険を見直すこともおすすめです。
その他の特典
金融機関は独自のサービスや特典を用意しています。
支払いに直接影響するものではありませんが、上手く活用すればお得に生活することができます。例えば、ATM手数料が無料になったり、家電、引っ越し代金などの割引などのサービスが上げられます。
2行で比較していて決められない場合は、このような特典を見て決定するのも良い手だと思います。
住宅ローンを最大限活用するには?
住宅ローンを選ぶ際に、金利や総支払い額を気にすることはとても重要です。
しかし、住宅ローンの支払いを抑えることだけでなく、マイホーム購入後に収入を増やすという視点をもつこともまた大切だと思います。
収入を増やす手段の一つとしてご紹介したいのが、マイホームがお金を稼いでくれる「賃貸併用住宅」。
住宅ローンを借りて家賃収入を得られる賃貸併用住宅を建てられたら、マイホームがひとつの収入源になり、住宅ローンの負担額を抑えてくれるのです。
低金利である住宅ローンで建てた家でお金を増やす、賃貸併用住宅こそ住宅ローンを最大限活用する方法といえます。
自分にあった住宅ローンを選ぼう
金利タイプから審査、団信までライフプランやご自身の経済状況に応じて、最適な住宅ローンは人それぞれ異なります。
返済額の低さだけ考えるのではなく、団信の保障も含めて住宅ローンを選びましょう。
この記事のまとめ
- 住宅ローンは、契約者本人や家族が居住するための住宅に利用できる
- 住宅ローンは、保険の変わりや節税にも活用できるので利用した方が良い
- 住宅ローンは、金利タイプを決め一括比較サイトを利用すると絞りやすい
- 住宅ローンを活用する方法として賃貸併用住宅もおすすめ
住宅ローンについて、こちらでご紹介したシミュレーションのほかに、金利や借入可能額、審査など、気になる情報をまとめてご紹介していますので、ぜひこちらもご参照ください。
住宅ローンのお役立ちマニュアルー家を買う前に知っておきたいお金の知識10選
マイホームの建築・購入をご検討の方へ、「バンクスホーム」では住宅ローンで建てる、今までにはなかった賃貸併用住宅をご提案しています。詳しくは下記のオフィシャルサイトでご案内していますので、ぜひこちらもご参照ください。
バンクスホーム オフィシャルサイト