これからマイホームを手に入れたいという人にとって、「持ち家」と「賃貸」で本当はどっちがお得なのか、一度は考えてみたことがあるのではないでしょうか。
「将来、持ち家と賃貸、どちらで暮らそうと考えているか」というアンケート調査によると、持ち家派 が59%、賃貸派が41% という結果になっています。
今までの日本であれば、資産が残る「持ち家派」が圧倒的に多かったはずなのに、「賃貸派」が増えている理由はいったい何でしょうか。
目次
「住まい」にかかる住居費を試算してみる
一生のうち「住まい」にかかる住居費は、一般的に世帯年収の3割から4割を占めるといわれています。それでは、持ち家と賃貸、どちらがお得なのでしょうか?
仮に、頭金300万円、住宅ローン返済を毎月11万3,000円(金利1%)、返済期間を35年、ボーナス払い無しとした場合、4,300万円の持ち家を購入することが可能です。
毎月かかる住宅ローン返済と同額の賃料を払って、一生賃貸物件に住んだ場合と比べた場合、実際にどちらがお得になるでしょうか。
下記の比較表は、50年間のそれぞれの住居費総額を単純に比較してみたものです。
賃貸の場合、11万3,000円 x 12ヶ月 x 50年 と計算しています。
持ち家の修繕積立金は2万円/月、室内リフォーム費用や固定資産税に関しては概算です。賃貸の管理費は3,000円/月、駐車場代は1万円/月としています。
住居費総額は「持ち家」がややお得
前項の計算式は単純比較ではありますが、この条件で計算してみると、約800万円持ち家のほうがお得であるという結果になります。
賃貸派の場合、子どもが独立したあとの25年間を、家賃8万5,000円の物件に住み替えれば
25年 x 2万8,000円(当初11万3,000円との差額) x 12ヶ月
840万円が節約となり、持ち家の場合と50年の住居費総額は変わらなくなりますね。
※引越し費用は考慮せず。
それでも「賃貸」に住みたい理由
それでも、持ち家の場合は土地と建物という資産が残るのに対して、賃貸の場合は資産が残りません。にもかかわらず、賃貸派の意見としては、主に、以下の理由があるようです。
・35年もの借金を背負いたくない……。(住宅ローンを払い続けられるか不安)
・将来の収入不安(自分の年収が上がるか、共働きの奥さんがいつまで働けるか)
・転勤や転職などの場合に、持ち家だと余計に住居費がかかる心配がある……。
・将来的に介護など、実家に戻らなければならなくなるかも……。
・家計が苦しくなった時に、安い家賃の賃貸に引っ越せば良いという身軽さ
この記事を読んでいるあなたは、どちらかといえば持ち家派に近いとは思いますが、このような賃貸派の不安も理解できるのではないでしょうか?
住宅購入に対する収入の不安は同じ
持ち家にするか、一生賃貸を選択するか、どちらを選択するにしても将来的な収入不安はあるのではないかと思います。
下の図は、住宅ローンを扱う住宅金融支援機構のコールセンターに寄せられた、コロナウイルス関連の相談件数の推移です。2020年2月が15件だったのに対し、3月は229件、4月1,387件、5月2,265件と驚異的なペースで増加していることがわかります。
コロナウイルスによる家計状況悪化により、住宅ローンを払えない不安を感じている方が急増していることを物語っています。
共働き世帯が、全体の70%になった日本において、ご夫婦それぞれの残業代が減ってしまっていることが家計に大きな影響を及ぼしている一因といわれています。
住居費以外の支出はどのぐらいかかるか
「持ち家」か「一生賃貸」か…。
この難問を解き、ご家族の幸せな人生設計をしていくにあたっては、住居費以外にも子どもの教育資金や老後の生活資金など、さまざまな支出も考える必要があります。
それぞれ、どのくらいの費用がかかるものなのでしょうか?
① 教育資金
下の図表を見ていただいてもお分かりの通り、幼稚園から大学まで、ずっと国公立の場合で子ども1人あたり1,000万円以上、ずっと私立を選択した場合には2,000万円以上が教育費としてかかります。
この文部科学省や日本政策金融公庫の調査結果には、学習塾や習い事などの費用は含まれていないので、それ以上の教育資金を準備することが必要となってきます。
最近では、大学進学者のうち約半数が奨学金を利用しているというデータがあります。
これはもちろん、子どもが社会人になってから返済しなければならない、公的機関からの借入れとなります。
② 老後の生活資金
近年では平均寿命や高齢者の健康寿命が延びたこともあり、定年を迎えても働き続ける方が増えてきています。とはいえ、一般的には定年を迎えると仕事をやめて、老後を過ごすことになります。
働いているときであれば毎月の給与があるため、日々の生活にそれほど困窮することはありません。しかし、定年を迎えると給与はなくなり、預貯金や年金で生活することになります。
年金だけで生活するのは困難であるケースも多く、老後資金については働いているうちからしっかりと考えておく必要があります。
老後資金2,000万円問題
「老後資金は貯めておくほうが望ましい」とはいえ、目安が分からなければ効率的に貯めることは難しいといえます。最近、老後資金2,000万円問題が話題にもなりましたが、これは年金以外の収入がなくなった際に、年金だけでは不足する金額を指しています。
まずは、この2,000万円という金額がどうやって導き出されているかご説明します。
総務省の家計調査報告によると、高齢無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の公的年金などの社会保障給付は、1カ月に209,198円です。同じく家計調査によると月々の支出は263,718円であるため、不足分は月々54,520円となります。
年間で考えると、654,240円が不足分となります。
60歳から90歳までの30年間として計算すると、約2,000万円の不足となる訳です。
この2,000万円という金額は、60歳で定年を迎えることを想定した数字です。いつ定年を迎えるかによって、必要と思われる老後の生活資金は変わってきます。
ゆとりある老後にはもっと余裕が必要
ただし、生活保険文化センターによると、「ゆとりある老後の生活費」は月平均35.4万円という調査結果もあります。人生の余暇を過ごすための生活資金には余裕を持ちたいものです。
ゆとりのための金額の使い道は「旅行・レジャー」が最も高く、続いて「趣味・教養」「日常生活費の充実」になりました。仮に65歳から年金受給する前提での老後資金を計算すると、ゆとりある老後の貯蓄額は、65歳時点で約3,200万円となります。
住居費や生活費、子どもの教育資金やレジャーなどとは別に、65歳の時点で貯蓄をこんなに準備できるか考えると、頭が痛くなってきますよね……。
「持ち家」VS「賃貸」論争を解決する選択肢『賃貸併用住宅』
では、もしも、家を購入することで、こうなったらいかがでしょうか?
マイホームを購入することで「将来のお金に対する不安」が解決されるとすれば、賃貸ではなく、持ち家を選択することに迷いはなくなるのではないでしょうか?
ついに、「持ち家」VS「賃貸」論争に結論を出すときがやってきました!
わたしたちは、人生100年時代における、この大きな住居費を限りなく抑えることを可能にするのが、持ち家でも賃貸でもない「第三の住まいの選択肢」、賃貸併用住宅だと考えています。
この記事のまとめ
- 「持ち家」と「賃貸」ではどっちが得かは、それぞれの住居費を試算して比較することができる。
- 住居費総額では「持ち家」がややお得だが、「賃貸」は安い家賃への住み替えができるので、総額はあまり変わらない。
- 「賃貸」に住みたい人のほとんどの理由は、“収入の不安”。
- コロナ禍で住宅ローンを払えない不安を感じる人が急増。
- 住居費以外にも、教育資金や老後資金が必要。
- 「持ち家」VS「賃貸」論争を解決する第3の選択肢「賃貸併用住宅」なら、住居費を限りなく抑えることが可能。
「将来のお金に対する不安」を解決してくれる賃貸併用住宅について、下記の記事でより詳しくお伝えしていきます。ぜひ併せてチェックしてみてください!
関連記事:賃貸併用住宅〜メリット・デメリットと後悔しない家づくり
賃貸併用住宅「バンクスホーム」についてはこちらをご覧ください。
バンクスホーム オフィシャルサイト