賃貸併用住宅という住まいの購入方法は、自宅としてマンションや建売住宅、注文住宅を建てるよりも圧倒的にメリットがあるように思えます。(関連記事:賃貸併用住宅を選ぶべき11のメリット)
では、デメリットはないのでしょうか?
この記事では、賃貸併用住宅を購入する上で知っておきたいデメリットについてお伝えします。
デメリット①:借入金が多くなる
これは、ある意味仕方のないデメリットになりますが、自分の居住部分に加えて別世帯の居住部分も用意するとなると、必要な坪数は増えますし、建物はより大きくしなければなりません。そうなると当然、自分の家族が住むだけのマイホームを建てる場合と比較して、土地代と建築費用が拡大します。
このケースの対策と考え方について
戸建住宅よりは購入金額が大きくなるデメリットはあるものの、その分、広い土地が自分の資産となるメリットもあります。賃貸併用住宅の最大のメリットは、自分が大家の立場になって入居者から家賃収入を得られることですよね。
つまり、購入金額が大きくなっても、毎月のキャッシュフローと所有資産にメリットを感じられれば、「デメリットではない」ともいえます。
- 特に、土地から購入する場合には、あなたの世帯年収で借入ができる「適正な住宅ローンの借入限度額」はいくらか相談してみましょう。
(ご相談は、住宅財産プランナーをおすすめします) - ご夫婦の働き方、子どもの学校や環境を考えた時に、住んでも良いと思える場所(エリア)を具体的に考えてみましょう。
- 購入資金が足りない場合には、ご両親もしくは祖父母からの資金援助が得られるかも確認してみましょう。
(住宅資金に対する贈与に関しては、非課税となる制度があります)
借入金が多くなるというデメリットは、土地代に大きく左右されます。
あなたが、郊外に住んでいる もしくは、郊外に住んでも良いと考えられるならば、土地からの検討でも購入しやすいのですが、首都圏(都心)など土地代が高い中心部で購入する場合には、実現が可能なのかをあらかじめ知っておく必要がありますね。
ポイントとなるのは、実際に借入が可能なのか、今の賃料を支払い続けるよりもメリットがあるかどうかです。
現在の賃料よりも、少額の住宅ローン返済で「自分自身の住宅資産」が得られるならば、十分メリットがあるのではないでしょうか?
デメリット②:プライバシーの確保
戸建住宅と比べて、賃貸併用住宅の場合には隣(壁の向こう)に、他人が住むという宿命があります。もちろん、分譲マンションでも片方、もしくは両隣は別の家族が住むことになるので、同じと言えばその通りですが、せっかく自宅を建てるのであればプライバシーはしっかり確保したいものです。
計画をする際には、この点もしっかりと打ち合わせをする必要があります。
見た目のデザインや空間、断熱性能なども大切ですが、「音の問題=遮音性能」については特に注意が必要なポイントです。
このケースの対策と考え方について
下記は、日本建築学会が定めている遮音性能基準です。
この遮音性能基準は、隣室との壁(界壁といいます)の性能を示しているものです。
本書でおススメする遮音性能基準は、D=55で「特級」となります。
実際、賃貸併用住宅は、「プライバシーが心配」という理由で見送る人が多いそうです。
賃貸併用住宅を始める前は、必ず建築会社へ遮音性能についての確認や、その工法で建てたOB顧客の声をきかせてもらうなどし、プライバシー確保のための工夫や実績を確認してから始めるようにしましょう。
デメリット③:空室期間は住宅ローンの返済負担が大きい
賃貸併用住宅には、家賃収入をローン返済に充てられるというメリットがありますが、裏を返せば、入居者が不在の空室期間はその家賃収入がなくなるため自己負担になります。住宅ローン審査が通って購入した賃貸併用住宅ですから、家賃収入が無くても実労働収入で払えるはずではあるものの、そんなことは出来る限り避けたいものです。
しかしながら、日本の人口が減っていくなかで、賃貸物件の空室率は上昇傾向にあることも事実です。下図は、野村総合研究所による「日本の空き家数と空室率」の予測値です。
ご覧のように、2033年には空室率が30%を超え、空き家数は2166万戸になるという予測になっています。
これを見たら、ちょっと考えてしまいますよね……。
「賃貸物件を建てれば、賃借人が入る」という時代は終わりをつげています。
空室期間は最大のデメリット。だからこそ、建物のデザインや空間、性能などの差別化が大切になってきます。
このケースの対策と考え方について
空室期間をつくらない。そのために必要なことは、「入居者」に選ばれ続けること。
賃貸契約をした「属性の良い入居者」に長く住んでもらうことです。
私たちがオススメするのは、「住宅ローンで購入できる賃貸併用住宅」です。そのなかでも、自宅部分と賃貸部分を、全く同じ間取り・デザイン・性能にした賃貸併用住宅をおススメしております。
空室率が高い賃貸物件というのは、いくつかの共通する欠点があります。
主な共通点は、
① 誰にどんな生活をしてもらいたいのかが分からない。
⇒ ターゲット設定(ペルソナ)が不明。
② 他の物件と比べて良いところがみつからない。
⇒ 可もなく不可もない。明確な差別化がされていない。
③ そもそも市場性が低い立地である
⇒ 例えば、駅から遠い場所なのに、単身者用の間取り物件である。etc…
需要と供給のバランスに問題があるということです。
本書でおススメしている賃貸併用住宅は、あなたが「住みたい」と思える「場所」「間取り・デザイン・性能」の物件なのです。
つまり、あなたと同じような家族構成の方が入居者ターゲットなので、あなたが選んだ立地や間取りには必ず需要があるということ。
しかも、そこに入居者として住めるのは、たった一組なのです。
BANK’S HOME は、その全てを満たしていると自負しています。
デメリット④:売却しづらい
一般的に賃貸併用住宅は売却がしづらいと言われています。
その理由について調べてみましょう。
自宅部分は家賃収入がないわけですから、物件価格に対しての収益性は低くなります。そうなれば当然利回りも低くなってしまいます。それが故にアパートローンも通りづらい。そのため、通常の一棟アパートなどより安値にならざるを得ません。
通常の住宅が欲しい人にとっては「賃貸部分が邪魔」
賃貸物件(投資物件)が欲しい人にとっては「自宅部分が邪魔」になってしまう。
というのが、主な理由です。
売却しづらいと言われる賃貸併用住宅の種類は以下となります。
✓ アパートローンでしか建てられない賃貸併用住宅
⇒ 融資が通りづらい。
✓ オーナー住居と賃貸部分の間取りが違う賃貸併用住宅
⇒ 入居ターゲットが変わってしまうため、運営しづらい。
このケースの対策と考え方について
確かに、マイホームでもなく、収益を追求する賃貸アパートやマンションとも異なる中途半端な物件は、売却する際に困る可能性がありますね。
それでは、本書でおススメしている賃貸併用住宅でしたらいかがでしょう?
賢明な読者のみなさまはもうお気づきかと思いますが、自宅部分と賃貸部分の間取りは同じ。住宅ローンで購入できる賃貸併用住宅で、入居ターゲットも同じなのです。
つまり、
・新築時よりは初期費用が安いため、ローンが組みやすい
・ローンの借入額を抑えられるため毎月の返済が少ない
・既に入居者のいる物件なら、購入してすぐに家賃収入を得られる
・空室率や家賃水準など、これまでの運用実績を確認できる
・二世帯住宅としての需要も取り込むことができる
同じ賃貸併用住宅でも、ローンの組み方や間取りによって、出口戦略にも大きな差が生まれるのです。
賃貸併用住宅のデメリットも知った上で判断しよう
人生で一番大きな買い物であるマイホームですから、メリットだけでなくデメリットにも目を瞑らずに把握しておくことが重要です。
デメリットを正確に知ったうえで、はじめて、
「何をどう選択することが良いのか」
「そのデメリットを低減するための対策がとれるのか」
「いくつかの選択肢があるなかで、自分にとって最良の住まいはどの選択肢か」
が見えてくるからです。
賃貸併用住宅という選択肢が、誰にでも当てはまるものとは考えておりません。
メリットとデメリットを考えて、判断していただきたいです。
この記事のまとめ
- 賃貸併用住宅では建物が世帯分だけ必要なので、土地代と建築費用が大きくなる
- プライバシー確保のため、特に遮音性能を重視する必要がある
- 空室期間はローン負担が大きいため、空室のないよう「住みたい」家にすることが大切
- ローンの組み方や間取りによって、売却のしやすさには大きな差が生まれる
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