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賃貸併用住宅の落とし穴! ~後悔しないために知っておくべき5つの注意点~

賃貸併用住宅は、マイホームを持ちながらも家賃収入をローン返済に充てられるという非常に優秀な不動産活用手段のひとつです。

とは言え、建てれば儲かるといった甘い話は世の中にはなく、事前に勉強して準備を整えておくことが肝要となります。今回はそんな賃貸併用住宅を始めたい方のために、事前に絶対に知っておきたい注意事項を5つ紹介します。

 

後悔しない賃貸併用住宅の5つの注意点とは

①賃貸適地ということを考えよう!

一番ありがちな失敗は、自分の住宅の延長線上として賃貸併用住宅を考えてしまうことです。賃貸併用住宅を始める際はこれが“賃貸ビジネス“であることを明確に意識しておく必要があります。

他人に貸す分、建築費用や土地代が高くなるということ、そして如何に空室期間を作らないかということが重要です。そして、その空室期間を作らないということが決して簡単ではないことを認識しておく必要があります。

入居してくれる人が、毎月それなりの家賃を払って住みたいと思える物件かどうかを確認するために、特に重要な下記3点を客観的に考えてみてください。

• 立地(小中学校、会社、病院など)
• 近隣の雰囲気(スーパーやコンビニの有無、治安)
• その地域にどういった世帯が多いか(ファミリー、単身者、学生など)

なお、国土交通省が発表する「賃貸住宅を選ぶときの理由」では、次の3項目が物件の決定を左右したとされています。

1. 価格/家賃が適切だったから
2. 住宅の立地環境が良かったから
3. 住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから

ご自身が賃貸併用住宅を建てる場合、自分にとって最適なロケーションを探すだけでなく、ターゲットとなる借主にとって住みたいと思えるかどうかも念頭に置く必要があります。

例えば立地をどこにするか考えるとき、「絶対に駅近!」と固執するのではなく、ターゲットがファミリー世帯であれば小学校への距離を重要視するなど、柔軟に想像するのが賢明です。

本書でおススメする賃貸併用住宅であれば、「あなたが住みたい」+「あなたが購入できる」立地条件になるので、この注意点をクリアすることは簡単だと思われます。

 

②原状回復コストについても知っておこう

大きな投資に対し、事前に綿密な試算を立てるのが一般的ですが、その際に見落としがちなのが原状回復コストです。原状回復コストとは、ハウスクリーニングや修繕のことです。普通は、居住者が生活する中で自然に発生する汚れや傷みは借主の負担ではなく、オーナー側の負担となります。

では、間取り別のハウスクリーニング費用はどの程度を想定しておけばよいのでしょうか?
賃貸併用住宅で後悔しないために知っておくべきハウスクリーニング費用

例えばファミリー向けの3LDKの場合で5万~8万円になるということです。

この他にも、床や壁紙の張替えは5年から10年のスパンで発生します。そしてキッチンや浴室といった水回りのリフォームコストにもお金がかかります。修繕費として試算に組み込み、積み立てておくのが得策です。また、試算時は、ハウスクリーニング費用も含め一旦ワーストケースで見ておく方がリスク回避できて安心できるでしょう。

ただし、オーナー側の負担を減らすための方法として、入居募集時にクリーニング費用はあらかじめ入居者負担とした上で「賃貸借契約書」を締結する事例も数多くありますので、信頼できる不動産管理会社と事前に相談して進めていきましょう。

 

③入居者からの苦情に対する心構え

賃貸併用住宅のデメリットのひとつでもありますが、入居者が隣に住んでいることで直接苦情を言われる可能性はゼロではありません。仮に管理会社を挟んでいたとしても、たまたま顔を合わせたときに苦情を言われることはあります。ある程度このようなケースを頭の片隅に置おいておきましょう。

よくある苦情
• 騒音
• ゴミ出し
• 設備不良

もちろん入居者の性格にも依存しますが、子どもや音楽などの騒音が最も苦情になりやすいものです。ゴミ出しに関しては、入居者同士というよりは、近隣からの苦情となることが多いです。

入居者がルールを守らない場合、ご近所からオーナーへ苦情が入るケースがあります。
また、設備不良は、例えばエアコンから冷風が出ない、電気がつかない、鍵が閉まらないなど多岐に渡ります。

管理会社を通していても、直接クレームが入る覚悟は持っておきましょう

 

④空室期間ができてローンの負担額が重たい

賃貸ビジネスに必ず付きまとうのが空室問題です。借主がいない期間は当然ながら家賃収入を得られないため、ローン返済は自己負担となります。
二世帯分の土地と家を購入しているため、ローン返済額も必然的にマイホーム購入時より増えます。ずっと満室であることが当然だというマインドで賃貸併用住宅に踏み切ると失敗や後悔に繋がりかねませんし、仮に1~2ヵ月空室になっただけでも不安に駆られてしまうかもしれません。

大切なのは、そういった期間が生まれるリスクを認識しておくこと。そして空室にならないような工夫を予め用意し、空室期間を意図的に作らないことです。空室対策でできる工夫は多岐に渡ります。空室になりにくく、入居申し込みが入りやすい物件作りの工夫をここで少しご紹介します。

工夫1:住宅のデザイン・設備にこだわる

まずは、そもそもの商品である物件のデザインと設備にこだわります。すでに紹介した国土交通省のデータでもあったように、価格と立地に続いてデザインと設備が入居するかどうかの決断の要因になるため、少なくとも次の2つを意識しましょう。

• 時代に左右されない外装と内装のデザイン
• 高い収納力

時代に左右されないデザインというのが空室対策の鍵になります。10年後も古臭くならないデザインにすることで、入居率の低下を防げるからです。時代に左右されないデザインというと凄く難しいことのように思えますが、「伝統的なデザイン」である京町屋やヨーロッパの街並みが良い例でしょう。

ヨーロッパでは、時が経てば経つほど価値が上がり家賃が高くなるケースが見受けられます。それは時間が経過しても古臭く見えないデザインや素材だからです。

また、設備の中でも収納は特に重要視される項目のひとつです。加えて、収納があることで家具の量を減らすことができます。これはデザイン性の統一に繋がると同時に、家具の上に溜まるホコリを掃除する手間も省けるため、衛生面と手間の両方で居住者にメリットが生まれます。

工夫2:少しでも気持ちよく内見してもらう

内見時の印象は非常に重要です。物件自体の魅力に加え、きめ細かな気配りができていれば、内見で好印象を植え付けるだけでなく、オーナーへの安心と信頼を与えることできます。

• スリッパを置く
• 空気をリフレッシュさせておく
• 照明を付けて天候に関わらず室内を明るくさせておく

工夫3:空室補償保険の検討

どうしても空室が不安という人は、空室補償保険を検討するのもひとつの手です。保険により条件は異なりますが、毎月保険料を払う代わりに空室期間は一定額の補償を受けられます。
しかしながら、私は、世の中の空室率が50%時代を迎えても、入居者に選ばれ続ける物件づくりを実現するお手伝いをしている自負があるので、空室補償保険ありきの賃貸経営はおすすめしておりません。

 

⑤間取りのデメリットを把握していなかった

賃貸部分の間取りのメリットとデメリットは必ず事前に把握しておきましょう。間取りには、概括的に横割りと縦割りがあります。

横割りは、2階建ての住宅であれば例えば1階はオーナー、2階を賃貸部分と上下に分けることです。縦割りというのは文字通り家を縦に割るため、1階と2階の半分がオーナー居住区、そして残りの半分が賃貸となります。
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横割りのメリットとデメリット

横割りは上の階と下の階という分け方をしますが、オーナーが上に住むか下に住むかでメリットとデメリットが変わってきます。

オーナーがの際のメリット
• 庭を使うことができる
• 自分が発する足音などを気にする必要がない
• 上の階の方が賃貸市場では価値が高く、家賃を高めに設定できる

オーナーがの際のデメリット
• 上の階の物音が気になる
• 小屋裏収納が使えない

オーナーがの際のメリット
• 下の階の物音が気にならない
• 小屋裏収納が使える
• 窓からの見晴らしがよい

オーナーがの際のデメリット
• 1階部分の家賃設定が比較的低くなる
• 1階に住みたいという人が統計的に少ないため空室リスクがやや高い
• 自分の足音や生活音が下の人の迷惑になるリスクがある

縦割りのメリットとデメリット

メリット
• 上下の騒音問題が解決する
• 1階と2階のメリットをオーナーも借主も両方得られる

デメリット
• 壁部分の防音性を高める必要がある

どの間取りにもデメリットはありますが、子どもがいる世帯の場合はどうしても騒音が発生するため、縦割りの方がデメリットを最小限に抑えることができるでしょう。

質の高い賃貸併用住宅なら、賃貸経営は怖くない

知っておくべき注意点を5つピックアップしましたが、いずれも事前に知っておくことで面食らうようなことがなくなり、スムーズに賃貸経営を行えるはずです。

空室を作らない工夫を専門家に相談しつつ、質の高い賃貸併用住宅を作り上げれば、賃貸経営は怖くありません。

マイホームを検討している方、不動産活用や不動産投資に興味がある方は、賃貸併用住宅も視野に入れて検討してみる価値はあると思います。

この記事のまとめ

  • 賃貸併用住宅が「賃貸ビジネス」であることを忘れずに土地やデザインを選ぶ
  • 「原状回復コスト」がかかるので、修繕費の積み立てをした方がよい
  • 入居者の苦情が直接言われる場合もある
  • 空室期間が出来るとローンの負担が重くなる
  • 賃貸併用住宅は縦割り・横割りでメリット・デメリットが異なる

 

「将来のお金に対する不安」を解決してくれる賃貸併用住宅について、下記の記事でより詳しくお伝えしていきます。ぜひ併せてチェックしてみてください!

 

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